レイ・ブラッドベリ「華氏451度」

読了。
国民が思想の自由に目覚めないように「本」という存在が禁止され、主人公は違法に所持されている本を燃やして回る「昇火士」として働いているうち、その社会に疑問を持ち始めるという作品。
作品のプロットとしては起承転結がしっかりしているわけではなく、あくまで主人公のまわりの環境をかき混してそこに起こる事件を描くというような形になっている印象がある。
コンテンツの内容はどんどん刺激的で単純になっていき、名作と言われた文学も動画として短くまとめられないと誰も見なくなってしまった世界、ということで「ファスト映画」などを見事に予言していたりする。
ちなみにタイトルは、紙が自然発火する温度に由来する。