白鳥士郎「のうりん1」

読了。
実によく出来たラノベ
ブコメをベースとして、コメディなノベルとして重すぎず軽過ぎない地の文章と、農業高校について割としっかりとした知識を交えた作品。あとネタがこれでもかというほどまぶしてあるが、現代の学生生活コメディが舞台であるせいか、違和感は強くない。(個人的にはネタのトッピングには、辟易気味なのだけれど)
小説としては評価対象外だろうけれど、「ライトノベル」としてはひとつの理想に近いところにある、絶妙の読み応えを実現している作品だと思う。



別に元ネタは知らなくても楽しめる作りになっているけれど、100%楽しむためには予備知識が要る。
内輪受けする話ほど面白いという原理で、確かにおもしろいとは思うんだけどこういうのは作品の面白さとは別ベクトルのおもしろさだし、ラノベの普遍的なオプションとして、有名作品のネタを入れるという流行は残念に思っている。