the swapper

クリア。
主人公が手にする「スワッパー」という装置で、自分と同じ動きをするクローンの作成と、クローンへの意識移動、の2つの操作を行い廃棄された宇宙船テセウス号の中を探索するパズルゲーム。
6時間程度で、ほぼやり残し無しクリア。
テセウスもそうだが、心の哲学の学者が主要キャラクターの名前になっており、意識と何かといった心の哲学がストーリーに深く組み込まれている。ゲーム内の体験としても、プレイヤーの感じる空恐ろしい違和感としてそれがうまく表現されている。例えばスワッパー装置ではじめて意識を移動させたときに移動元の本当の私の体は崖の下に居て、もう脱出はできないのだが「それ」は本当に置いていってよいのかなど葛藤を感じさせてくれる。慣れてきた後も、高所から落下しするときに加速度がリセットされたクローンに意識を入れ替えて自分の意識は無事に着地したが、元の体は墜落死するところなどを見るとなにかざわざわとしてくるものがある。
パズルゲームとして見ても、意識の入れ替えとクローンの作成を組み合わせた様々な発想を必要とさせてくれて、かなり楽しめた。スワッパー装置ひとつでこんな動きが出来るとは、といった操作もパズルの中で自然と思いつかせてくれるレベルデザインは見事。
本来ならシビアなタイミングの操作が必要な部分も、自由にスローモーションをかけられるのでアクションが難しいという場面はほとんど無かったのも美点。



難点はSteam版だと日本語化されていないのでストーリーを追うのが面倒である点。非公式でも日本語パッチは存在せず、いちおう英語と日本語のメッセージ対応一覧だけはあった。
自分は英語と日本語の対応を読みながらプレイした。

ちなみにWiiUのダウンロードソフトとして発売されているようで、そちらは日本語化されている。