「サカサマのパテマ」

視聴。
はるか昔の科学実験の事故によって、全てが上に落ちていくようになってしまった世界と、その実験の影響を受けていない世界の、「下」の方向がサカサマ同士の少年と少女の出会いを描く作品。
「サカサマ人」というアイディア、それと対になるディストピア的な世界、ヒロインであるパテマが空に落ちていかないように抱き合って行動するというアイディア、上下が逆である主人公とヒロインの二人で重さをプラスマイナス0にすることで空中を飛ぶというアイディア、「空」だと思っていた方向は本当は地上の方向で本当の世界の形はドーム面が下を向いたメニーメニーシープのようになっているなど、部品部品を見るとどれも最高級の品で間違いなくセンス・オブ・ワンダーな世界観なのに、なぜかそんなに面白くない。
悪い意味で不思議な作品である。
上下の方向を変える演出はいいんだけど、それがどうも上手くいってなくて脳のリソースを楽しむ方向に使えなくしてるのが原因なんだろうか……。



あと空に落ちていくシーンでちょっと思ったんだが、サカサマ人と協力して「重さ」を減らしても「質量」は減らない。何百メートルも100kg近い質量のものが等加速度運動したら十分人が死ぬ運動量になっちゃうんじゃなかろうか。
自分と同じ重さのものをずっと持っていられる主人公たちの腕の力強すぎだろ、というのは置いとくにしてもそこはひっかかった。

それに対する回答として「マイナス質量」という解釈をしているサイトもあった。うーむ。
http://blog.isayama.info/archives/52131245.html


監督は『そこは,宮崎 駿さん的な,強引に「感覚の気持ちよさで納得させる」』と言っているようだが納得させられるパワーが足りなかったようだ。
http://www.4gamer.net/games/134/G013499/20131121007/