幽霊問題

心身並行説を否定する立場からの指摘。
コリン・マッギン「意識の<神秘>は解明できるか」の1.3.二元論より。



心身並行説が真であれば、物理世界に対応する脳を持たない心的なもの=幽霊が存在しうる。
しかし実際には、脳と心は強く関連性があるように見える。これは脳と心は何らかの因果関係を持つことを示し、脳から完全に切り離された心=幽霊の存在を否定する。これは「幽霊が存在しうる」という主張と矛盾するため、心身並行説は間違っているとする。

とは言っても「厳密な」心身並行説はそもそも幽霊の存在を肯定していない。心的世界と物質世界は完全に同期しているので、物質世界で知的行動が停止するようなイベント(例えば拳銃で脳を破壊される)があれば、心的世界でもそれに相当する心を停止させるにイベント(心的要素で構成された拳銃でで心を破壊される)が発生する。だから脳は破壊されるが心は生き延びる、ということは発生しないハズである。