旧約聖書 伝道の書

読了。
これまで聖書で語られてた「正しさ」を押し付ける話とは大きく毛色が違う部。神の偉大さよりむしろ哲学的な思想が語られている。
生きていることで得られる(ご飯が美味しいなどの)喜びは神が与えてくれるものだとしながらも、人もまた獣に過ぎず、人は死んだら何も残らない空虚なものでしかないと考える。
ただ空虚だから何もやらないという話ではなく、人は誰しも死んだら終わりだからせいぜい生きてるうちは、よく働いてよく飲み食いしてよく楽しもうぜ。というのがこの部の趣旨である。



ダビデの子の言葉とされている。物語的にはダビデの子というとソロモンになるが、別にダビデにはソロモンしか子供が居なかったわけではないので誰の話なのかはよくわからない。
"空だ"という表現が多くでるがこれは空虚という意味でしかなく、般若心経とかの仏教で言う空はとは別の概念。

「昔が今よりもよかったのはなぜか」と言うな。あなたがこれを問うのは知恵から出るのではない。 7章10節

と語られていたりして、いままで読んできた中で一番現代にもそのまま通じる話だと思う。