クリア。
LIMBO、INSIDEに代表されるような不気味な雰囲気の、即死系横スクロールアクションゲーム。さらに、ステルスゲームのエッセンスを追加してある点が特徴的。
本作はグラフィックやフレーバーは素晴らしく、ホラー＋ステルスというアイディアは良いのだがゲーム内容に荒が目立つ。
まずこのゲームには奥行きがあるのだが、Z軸の位置関係がわかりづらく意図せず手前や奥へ落下死することがよくある。さらに奥行きがあるせいでオブジェクトでキャラが隠れてしまい、それがストレスになるシーンがある。ステルス要素があり、敵に見つからないように「すれ違う」ために奥行きが必要だったのは判るが、Z軸の調整を間違えると死ぬステージ構成にする必要はあったのか疑問。
(天井の梁の上を歩くシーンでは操作ミスで落ちていいけど、幅1メートルくらいある道でも落ちるのはどうなんだ)
また即死系なのに死亡時のチェックポイントの粒度が粗い。難関を２つまとめて１つのチェックポイントにしていたりする。かと思えば明らかにクリアしてないのに、死んだら障害をクリアした向こう側にリスポーンしたりする箇所がある。そして、コンティニュー時に気になるレベルのローディングが入るのでテンポが悪い。
また謎解きに一貫性がなく、無駄に時間を消費させられる。特定オブジェクトの近くでものを投げると突然、普段とは違う投げ方になるという謎解きがある。テレビの電源を入れる必要がある部屋で、いままではRボタンでオブジェクトを触ってきたのに、そこでは扉を開けるときに使ってた「押す」動作を要求される。肉を食べるところの判定が微妙でボタン押しても反応しないし。壷を割ったら出て来る鍵が保護色のように壷の破片にまぎれて全然見えないし。
ステージに漂う文字通り悪夢のような雰囲気や、異形の人間から逃げ進むシーンはいいんだが、ゲームの質が足を引っ張って全体の評価を大きく損なわせている。
ホタルノニッキにも似た印象を抱いたけど、大手メーカーが作った即死ゲーは練り込みが不足しているのかもしれない。
後これは不気味さの演出としても働いているので単純に欠点ではないが、舞台が船の中ということで常に画面が揺れていることに酔う人が居るかもしれない。
