Stray

クリア。
サイバーパンクなスラム街を始めとするSF的舞台を、猫として冒険するチャプタークリア型のアクションアドベンチャーゲーム
設定の時点でもう名作であることが確定している約束されたネコゲーと言えるが、実際その高い期待にしっかり答えてくれるゲームだった。猫ばかり褒められるが、ポストアポカリプスな都市ビジュアル面も素晴らしい作品。
ちなみにチャプターは、パズル的なエリアをクリアしていくタイプと、ある程度の広さのエリアを探索してお使いイベントをこなしていくタイプがある。
「解像度の高い」猫のモーション、魅力的かつバリエーションに富んだエリア、猫の高い身体能力をや狭い隙間のすり抜けを反映させた立体的な探索など、高く評価できる点が多い。ボリュームは5時間前後でリプレイ性が低く3500円の作品としてはすこし物足りないが、魅力的な3D空間をこれでもかというほど詰め込んであるので自分的には損した気はない。
一方、「お使いイベント」があからさまな点をはじめ画面や操作感などを取り払ってアドベンチャーゲームとして見ると悪いわけではないが特別良いわけでもない。また、翻訳が悪いのかヒント台詞の意図がつかめずに無駄に詰まってしまった箇所がいくつかあったのは気になる。あとこれは自分に合ってないというだけだが、酔いとの戦いもあった。幸いクリアまでが短いので酔い止め薬でカバーしたが。
なんにしても、名作と呼んでよいネコゲー史に残る作品だったと思う。



こういう「人間の居ない国」テーマを描くと、どうしても消えたはずの人類を出す方向になってしまい、人間をめぐった話(人間はロボットを支配する悪魔か、造物主である神か)になってしまう。
strayはそこで猫を主人公にすることで、異邦人の視点を確保しつつロボットたちのありのままの世界を描くことに成功しているところも素晴らしいと思う。