Return of the Obra Dinn - オブラディン号の帰港

クリア。ヒント無しで全調査を完了。
主人公は保険費算定の調査員となり、全員が死亡して船だけが帰港した「オブラディン号」の調査を行って、乗員60名について「人物画・人名・死因」をまとめた報告書を作成することが目的の作品。
「乗員全員が描かれた絵」「乗員名簿」、そして「各乗員が死んだ瞬間を過去視できる懐中時計」をもとにして、過去視を駆使しながら「報告書」に人名・死因を書き込んでいくわけだが、顔と名前の対応がまったく取れていない状態からゲームは開始する。
最初はあまりのとっかかりの無さに「え、これどうやって遊ぶもんなの……?」と途方に暮れたが、人物特定をするコツが分かってくると凄く楽しい。過去視や乗員名簿を隅々まで確認して細切れの情報をつなぎ合わせ、人物の関係性や隠された状況から辻褄がぴったり合う答えを探していくのはジグソーパズルに近い感覚で、OuterWildsと似た系統の謎解き作品である。
ちゃんとプレイするなら自分なりの手書き攻略ノートは必須。
ちなみに報告書に正しい名前・死因が3人分貯まるとそれが正解として確定されるというシステムだったり、過去視を見終えることで移動可能エリアが開放されるというシステムだったりがあるが、これらが完全にゲームシステム的なものなので結構混乱した。もうちょっと上手いフレーバーでこの現象を表現できなかったのか。
あと3DレンダリングされたFPS視点の作品なのに、白と黒の2色のみの絵画調に描画されるグラフィックもかなり特徴的。このゲームの世界観を見事に表現できている。
遊び方の説明がほとんどされない状態でポンとオブラディン号の上に放り出されるタイプの作品な上に、まず3時間くらいかけて全部の過去視を開放してからがゲームの本番という感じなので、遊び方がよく解らない状態でそこまでプレイするのが、なかなか辛かった。
しかしシステムを理解して推理が回りだすと一気にハマってしまう。読者に勝負を投げかけるタイプのミステリー小説を高いクオリティでゲーム化したような名作。