ケン・マクラウド「ニュートンズ・ウェイク」感想

遠未来、宇宙へと進出して星々を巡るようになった人類を扱ったSF物語。
正直に言って、自分はこの物語に上手く乗ることが出来なかった。小説の文章をサーフィンの高波に例えるならば、波の頂点に乗りながら先へと進むという感覚とは対極の、波に押し流されているだけという状態で読んでしったのだ。
当然あまり楽しめなかった。話の流れ的にはカーライルというスターゲイトのような設備を握っている一族の一人である主人公がその時々の目標を持って進むという話なのだが。
とりあえず、ある程度以上に進歩した人工知能は<特異点>という現象によって数ミリセカンド以下のサイクルで拡大再生産的より高い知性を得てゆき、最終的にはこの世界に興味を無くしてより高次の世界へと消えるというアイディアは面白かった。