谷川流「涼宮ハルヒの憤慨」 感想

涼宮ハルヒシリーズ8巻。中篇x2という構成。
1つは、いままでありそうでなかった生徒会とSOS団の対決モノである。これは抑えておかなければならないネタとは言え、個人的にはもっと序盤に持ってきて欲しかった話だ。ただ、それをしてしまうと事あるごとに生徒会とのゴタゴタが出過ぎてしまうので、これでよかったのかもしれない。
もう一つのストーリーは、一年の締めくくりであろう不思議事件の話。「消失」からこっちのキョンの心情が最後の一言に集約されていると言っても過言ではない。起こった出来事自体は1年近く前の事件とほぼ同じストーリーラインなだけに、この事件そのものではなくそれを巡るSOS団の面々がどういうスタンスでその事件に対応するか、という事を1年前と比較できるところがこの作品の見所だろう。
特に長門ハルヒキョンはその変化が大きい。古泉もそれなりに。
朝比奈さんは……、あまり変わっていないと思えるのは気のせいか。
何はともあれ、外伝で主人公達が関わらないところで暗躍していた人々の話でも無い限り、1年生編はこれはお終いだろうと思う。第一部終了と言ってもよいこの区切り目までこのシリーズを読めてほんとによかった。


「分裂」も購買予定だけどね。