地動説ではなく、天動説が正しいとする科学的な考え方

日経サイエンス7月号に、コペルニクス後も多くの科学者が天動説が支持しつづけた理由について紹介されていて、目から鱗だった。
・地球を中心として全ての天体が公転しているとする天動説は、惑星の逆行などの現象と矛盾するため天動説派からも否定されていた。
・修正天動説(地球の周りを太陽が公転しており、太陽の周りを地球以外の惑星が公転している)は、動きとしては地動説とまったく同じであるため惑星の逆行などをうまく説明できた。
・当時の技術力では、恒星に対する年周視差(視点の位置が違えば、対象物が見える位置も変わる)を観測できなかった。これは恒星に対して地球が静止している(天動説)か、恒星が年周視差を観測できないほど遠くにあることを示す。
・恒星が遥か遠くにあるとした場合、恒星の見た目の大きさと恒星までの距離からその大きさを求めると、恒星は軒並み太陽の数百倍の大きさということになってしまい不自然である。
……という理由で、地動説は否定されていたらしい。