視聴。
8月に単館から上映された自主制作映画ながら、口コミで面白さが伝えられることで11月現在は全国上映しているという「カメラを止めるな!」と似た流行り方をしている作品。
以下ネタバレ。
カメ止めはギミックが映画の価値の大きな比重を締めていたが、本作はまあギミックが無いわけじゃないのだが単純にシナリオ演出が良いものになっている。特に二人目のタイム・トリッパーが出てきてからの盛り上がってキレイに終わるところは素晴らしく、海外の話題作と比べても単純に映画としての総合力で高い評価ができるレベル。
前半は「あっ、ハイ。確かに『侍タイムトリッパー』だね。まあ面白いんじゃない」という出来だがポスターの「いかにも自主制作映画でござい」という感じの安っぽさは後半で完全に裏切られる。
最後で、本来はシナリオがある殺陣を真剣で撮影するというエピソードのアクションは、不自然なまでに長いにらみ合いの時間があることで「本当の勝負」を演出するアクセントとして強烈に効いている。
最後まで見ると大満足いく作品だった。
上映後に拍手したくなる作品という点もカメラを止めるなと似ている。
20歳や30歳の若者が勢いで全財産突っ込んで作りましたという作品ではなく、50代の監督が貯金1500万円を切り崩して完成時には口座に七千円しか残ってなかったということで、ある意味人生を賭けた作品というサイドストーリーはカメラを止めるなを超えている。