クリア。VRゲーム。
弓矢かクロスボウを武器にしたローグライクゲームで、開口を広くするために「誰でもクリアできる」難易度の作品が多いVRゲームの中では異色の高難易度ゲーム。
空中に浮かぶ神殿が連なっているような独特のステージも特徴的で、空を見上げると霧がかかった先に鷹が飛んでいたりと芸が細かい。
ゲーム的には、着弾地点にテレポートできる矢というシステムが特徴で、これが素晴らしい。
いわゆるテレポート移動の亜種だが、それに矢という実体を与えたことで特に上下方向への位置指定の自然さが大幅に上がっている。
また移動と攻撃手段を同じ操作にしたことで位置指定の練度も高くなり、矢が着弾するまでの時間があるためチートじみた連続ワープも封じられるという、まさに「アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである」というシステムになっている。
自動生成されるステージは最初にプレイしたときは長すぎではないかと思ったが、実は屋根の上を渡ったりバルコニーから近くの通路に飛び移ったりと、テレポート矢を活用して大幅なスキップが可能になっている。
リソース確保のために必要な分だけ戦ったらあとはさっさと進めるという選択肢があるのは、デザイン的に美しい。
ただボス戦では「弾が見えづらい」ことが主原因でダメージを食らうのはちょっとどうかと思う。
あと道中は敵に囲まれないように攻め進むゲーム性なのに、強い矢を連打してやられる前にやるというゲーム性に変わるのが最初は飲み込めなかった。
とにかく基本的なレベルが高い作品で、ちゃんと思い通りに打てる弓、テレポートなどで寄って来てくれるので延々と遠距離で弓を打ち合う不毛な戦いにならない敵挙動、ランドマークが遠方に見えて進む方向を見失わせないエリア構成、アチーブメントの達成で敵やアイテムが開放されていき飽きさせないようになっているなど、褒めるべき点は多い。
欠点を言うなら、やけに視認性が悪い敵弾があること、エンドコンテンツであるスコアランキングが既にサービス終了していることなどだろうか。
歯ごたえがあり過ぎだが、個人的にはかなり気に入った作品。
天国包囲戦というタワーディフェンス的なゲームモードも付いているが、そちらは他所でも見たことがある射撃ゲームになっているのであまりプレイしていない。