DEATH STRANDING - デス・ストランディング

クリア。
メタルギアシリーズの小島秀夫プロデュース作品オープニングから興味深いキーワードを連発してきて、物語へ引き込む力が非常に強い。インフラの崩壊した世界、時雨、謎の怪物、対消滅などの災害と、上質なSF海外ドラマを思わせる展開だ。
ゲーム性としては、いままで100回は言われているだろうがおつかいクエストが面倒なら移動自体を楽しいゲームにしてしまおうというGTAを、さらにブラッシュアップしたような作品である。
蹴躓くような石まで表現されたオープンワールドでの移動が楽しめる。山登りなどもオープンワールドにありがちな当たり判定を引っ掛けて強引にに登るスカイリム式登山術や、握力ゲージの管理という本来とは別の難易度になってしまっているブレスオブザワイルド式登山と違い、梯子やロープを使ってまっとうな登山ができる当たり前のようだが実現している作品は極少数のシステムが組み上げられている。
また他プレイヤーとフィールド設置設備が共通できるというオンライン要素もうまく世界観・システムとマッチしていて素晴らしい。
ただ差し込まれるムービーが長大で数十分から一時間以上プレイヤーを拘束するのをなんとも思ってないやり方は悪い意味で小島秀夫的である。いやドラマ自体は極上のものなんだが、こっちはゲームをプレイしてるのであって映像作品を観てるつもりではないのだ。
あと配送終了間際でイベントを起こすのはやめてくれ。俺が苦労して運んできた荷物どうなったんだよ、という疑問で物語がまったく頭に入ってこねえ。



ちょうど同時期にやったバイオハザード4VRのムービーシーンと比べるとその捉え方が対照的なのが面白い。バイオハザードはムービーをゲーム面から見れば悪だと考えているからこそQTEを差し込んでくるが、小島秀夫作品は「うるせえ!俺が作った最高の映像作品を見ろ!」でねじ伏せる。